ヘリコプターの参考 その②「ヘリコプターの分類(耐空類別)」
目的 (ヘリは楽しい……時もある)
みなさんこんにちは。
不定期ですがヘリコプターのコーナーです。
私はヘリコプターが好きなので、皆さんにもヘリの魅力やその安全性、利便性を知っていただきたいという目的でやっております。
はじめに(ヘリは本来安全な乗り物!)
皆さんはヘリコプターにどういうイメージを抱いているでしょうか? 危険な乗り物と感じるでしょうか?
最近では消防や警察、民間も含め、多数の事故が発生しているので、悪いイメージを抱いている方もいるかもしれません。
しかし、そもそもは安全性を重視して設計されている乗り物です。正しく使えば人間の幸せにつながる優れた乗り物です。
ヘリの安全性について
ヘリコプターは安全か、と問われれば、安全であると私は答えます。
安全性を担保するために何かと話題のオスプレイも含め、不具合が生じたときのバックアップがなされていますので、一つの系統が壊れても他の系統でバックアップできる仕組みがあるのでそうそう落ちることはないからです。
※エンジンが一つしかない機体であったり、そもそも一つしかないトランスミッションが故障した際は緊急着陸する必要があります。
※メインローターがなくなったりする場合はどうしようもありません……めったにありませんが。
※テールローターが故障した際など、条件によっては操縦士の腕が試されるものもあります。難しいです。
しかし、空を飛んでいるヘリコプターは大きさや形、ブレードの枚数などまちまちで様々なバリエーションがありますよね。すべて同じ基準なのでしょうか? 答えは「ヘリによって違う」です。
ヘリの分類は大まかに「耐空類別」で分類されています。
※ 航空帆施行規則付属書第1「対空類別」に記載
回転翼航空機普通 N | 最大離陸重量3175kg以下の回転翼航空機。 |
回転翼航空機輸送T A級 | 航空運送事業の用に適する多発の回転翼航空機であり、臨界発動機が停止しても安全に航行できるもの。 |
回転翼航空機輸送T B級 | 最大離陸重量9080kg以下の回転翼航空機であり、航空運送事業の用に適するもの。 |
大まかには上記の分類になります。
上の枠組みの中で最低限必要な性能等が「耐空性審査要領」という決まりの中に記載されており、日本でヘリコプターを飛ばすには、この「耐空性審査要領」に則った性能、構造、強度などが必要になります。
つまり、何でもかんでも飛べるわけではなくて、しっかりとした安全性基準がある、というわけです。そのため、日本の空を飛んでいるヘリコプターは機械的には安全、というわけです。
例外として「特殊航空機X」というものもありますが、そちらは運用形態(構造の変化等)によって速度などの制限が発生する際に適用されます。たとえば、消防任務の内の一つであるホイストや消火タンクなどをつけた状態での運用がこれに当たります。
当然ながら、通常時の空力とは異なってきますので、類別が変わるというわけです。
最後に……
今回はヘリコプターの安全性を担保するための決まりごとについて少しふれました。法律などを出したのでわかりにくくなってしまったかもしれませんが、いかがだったでしょうか?
設計上は安全な乗り物なのですが、設計する際に考えていた限界事項を超えて事故を起こしてしまうことも、悲しいですが事実です。我無理は禁物であるということを再認識する必要があります。